異国舟之図 筆彩入 写本 サラセン号とブラザーズ号の絵図
19世紀初頭に日本を訪れた外国船や人物、関連品々の手描きの写本。まず、HMSサラセン号(1812年建造、1828年難破)の2枚の絵があり、1枚は帆を張った状態で、もう1枚は帆を張っていない状態です。この船は1822年に浦賀に寄港し、水、食料、薪を受け取ったことが知られています。船の大きさも記載されており、寄港時期と一致する文政5年(1822年)の日付も書かれています。次は「ザ・ブラザーズ」の挿絵です。こちらも1818年に浦賀に寄港し、日本との貿易を試みたが失敗した別の英国船です。船の大きさとともに、船長と乗組員数名の日本語名も記載されています。次の2ページには、銃、大砲、刀、オーブン、3人の西洋人の図会が描かれている。次は、1807年に日本を訪れた中国船の図とその大きさ、そして3人の中国人男性の描写。次のページには、1641年に長崎に停泊していたオランダ船のイラストと、「紅毛人」(オランダ人)の絵がある。最後は、1804年に日本を訪れたロシア船のものである。これは、ニコライ・レザノフ(1764-1807)が指揮し、日本との貿易を始めようとしたが失敗したナジェージダ号であろう。鎧を着たロシア兵が描かれている。表紙の内側と裏表紙の右下に、「....岡幸之助」(おそらく村岡)という名前が書かれており。表紙には「異国船之図」と題されている。
画家不詳。文政中期。
11丁。27.2 x 20.2糎。
並から良好。経年の傷み、しみ、汚れ、虫損少々あり。
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